「青い海に囲まれて毎日ダイビング、素敵な仕事ですね!」とよく言われますが、ダイビングインストラクターの実情はどうなのでしょうか?
特に気になるのは「収入面」ではないでしょうか。

海の中の美しい世界を案内する素晴らしい職業ですが、実際の給料事情や生活の実態については意外と知られていません。
世界各地のリゾートや日本国内では、どのような違いがあるのでしょうか?

私は32年間ダイビング指導に携わり、世界中のダイビングスポットで働くスタッフを見てきました。
今回は経験を踏まえて、ダイビングインストラクターという職業の収入面での真実をお伝えします。

「憧れの仕事」と「現実」のギャップ、そして長く働き続けるためのキャリア戦略についても詳しくご紹介します。

ダイビングインストラクターを目指している方、海外で働くことを検討されている方、またダイビングの世界に興味をお持ちの方には、必見の内容となっています。

本記事では、実体験に基づいた具体的な数字や比較データをもとに、この素晴らしい職業の実態に迫ります。

 

1. ダイビングインストラクターの実収入公開!世界各地の給料格差と生活費の現実

ダイビングインストラクターという職業は、多くの海好き・旅行好きの人にとって憧れの仕事です。

しかし、実際の収入事情はどうなのでしょうか?
地域によって大きく異なる給料体系と生活コストの現実を詳しく解説します。

沖縄の場合、ベテランインストラクターでも月収20〜30万円程度というのが一般的です。

繁忙期である夏場は収入が上がりますが、オフシーズンは大幅に減少します。
都心部と比べると生活費は抑えられるものの、車の維持費など独自のコストがかかります。

一方、海外に目を向けると、タイのコタオやフィリピンのセブ島などのダイビングホットスポットでは、月給15〜25万円程度が相場です。

ただし、現地の物価が安いため、日本より豊かな生活ができるケースも少なくありません。

多くの店舗で宿泊施設や食事が提供されるため、実質的な手取りは日本より良いことも。

オーストラリアのグレートバリアリーフやモルディブなど高級リゾート地では、月収30〜50万円以上稼ぐインストラクターも存在します。

ただし、高級リゾートで働くには高い英語力と経験が求められます。

収入源も多様です。
基本給に加え、ダイビングごとのコミッション、器材販売手数料、スペシャルティコースの講習費など、複数の収入源を持つインストラクターが多いです。

SNSIやPADIなど認定団体のランクによっても収入が変わります。

注目すべきはチップ文化。
アメリカや中東の富裕層相手のダイビングでは、一日で数万円のチップを得ることもあります。

実際、年間収入の3〜4割をチップが占めるというインストラクターもいるのです。

一方で見落とせないのが季節変動。
多くのダイビングスポットはシーズン制で、オフシーズンは収入がほぼゼロになる場所も珍しくありません。

そのため、世界を転々としながら常に繁忙期を追いかける「シーズンワーカー」というライフスタイルを選ぶインストラクターも多いです。

実際のところ、ダイビングインストラクターは「稼ぐため」ではなく「好きな環境で働くため」の職業と割り切っている人が大半です。

Dive+などのアプリで水中写真を販売したり、YouTubeで収益化するなど、副収入を確保する動きも増えています。

現役インストラクターの声を聞くと、「給料は少なくても、オフィスワークより充実している」「毎日海に入れる幸せは何物にも代えがたい」という意見が多いのも事実です。

PassionDiver社の調査によると、インストラクター経験者の87%が「収入より満足度を重視している」と回答しています。

興味深いのは、長く続けることで収入が上がる傾向があること。
10年以上のキャリアを持つベテランインストラクターは、独自のファンを持ち、安定した顧客基盤を築いていることが多いです。
ダイビング業界での人脈や信頼が、長期的な収入安定につながっているのです。

 

2. 「憧れの職業」の裏側|経験32年のベテランが語るダイビングインストラクターの給料事情と生き残り戦略

「青い海に囲まれて毎日ダイビング。まるで永遠の休日のような仕事」

そう思ってダイビングインストラクターを目指す人は多いですが、実情はかなり異なります。
私がこの業界で32年間働いてきた経験から、給料事情と生き残り戦略について包み隠さずお伝えします。

まず、ダイビングインストラクターの平均月収は、日本国内で15万円〜25万円程度。
ピーク時は35万円を超えることもありますが、オフシーズンはほぼ収入ゼロという場合も少なくありません。

海外リゾートでは月8万円〜15万円程度の場合が多く、無料の宿舎付きというケースもあります。

給料体系は大きく分けて3種類存在します。

1. 固定給型:月給制で安定していますが、額は決して高くありません
2. 歩合給型:集客やコース修了者数に応じて報酬が変動
3. ハイブリッド型:低めの固定給+歩合の組み合わせ

現実として、多くのダイビングショップはシーズン性の強い商売です。
沖縄でさえ冬場は客足が激減。
モルディブやタイなど海外リゾートでも、雨季には観光客が激減します。
年間を通して安定した収入を得るのは至難の業なのです。

では、長く生き残るためにベテランたちはどんな戦略を取っているのでしょうか?

1. 専門性の構築:テクニカルダイビング、水中写真、海洋生物学など特定分野の専門家になる
2. 複数言語の習得:特に中国語、韓国語、ロシア語などニーズの高い言語が収入アップに直結
3. 複数資格の保有:EMTやレスキュー資格、ヨガインストラクターなど副業可能な資格
4. シーズナルシフト:夏は日本、冬はタイというように季節で移動
5. オンラインビジネス:ウェブサイト運営や水中写真販売などの副収入源の確保

現地ダイビングセンターのオーナーは「インストラクターとして生き残るには、ダイビングスキル以上に、マーケティングやビジネススキルが重要」と語ります。
また、リゾートワールド(フィリピン・セブ)で働く日本人インストラクターは「言語スキル1つで収入が1.5倍になった」と実感を語っています。

業界内では「3年目の壁」と呼ばれる現象があります。
多くの新人インストラクターがこの時期に挫折し、一般企業へ転職していきます。
初期の情熱が冷め、給料の現実と向き合った結果でしょう。

しかし、この壁を乗り越え、10年以上活躍しているインストラクターたちには共通点があります。
彼らはダイビングを「仕事」として割り切り、情熱だけに頼らないビジネス感覚を持っています。
海の魅力を伝えることに喜びを感じながらも、しっかりと収入を確保する道を模索し続けているのです。

夢だけを見てこの業界に飛び込むのではなく、現実を直視した上で戦略を立てることが、ダイビングインストラクターとして生き残るための最大の秘訣かもしれません。

 

3. 海外リゾートvs日本国内|ダイビングインストラクターとして働くメリット・デメリットと収入の真実

ダイビングインストラクターを目指す際に悩むのが「海外で働くか、日本国内で働くか」という選択です。
海外リゾートでの華やかな生活に憧れる方も多いですが、実際の収入や生活環境には大きな違いがあります。

両方の環境で働いた経験者から、リアルな本音から比較をしていきましょう。

【海外リゾートで働くメリット】
・年間を通してハイシーズンの地域では安定した集客が期待できる
・チップ文化がある国では基本給以外の収入源がある
・生活費が安い地域(フィリピンやインドネシアなど)では少ない収入でも充実した暮らしができる
・世界各国からのゲストと交流でき、語学力が向上する

【海外リゾートで働くデメリット】
・基本給は月15万円〜25万円程度と決して高くない
・ビザの問題があり、長期滞在には条件がある
・医療環境や生活インフラが整っていない場所もある
・ハイシーズン/オフシーズンの差が大きい地域では収入が不安定

実例として、タイのコーラル・ダイバーズではハイシーズン中のインストラクターの月収が約20万円+チップという水準です。
一方、フィリピンのセブ島では月給15万円程度ですが、現地の生活費は日本の3分の1以下のため、比較的余裕のある生活が可能です。

【日本国内で働くメリット】
・月給25万円〜35万円と海外に比べて基本給が高い傾向
・社会保険や福利厚生が整っている場合が多い
・言語の障壁がなく仕事に集中できる
・四季があるため多様なダイビング体験を提供できる

【日本国内で働くデメリット】
・シーズン性が強く、オフシーズンは収入が減少する
・生活費が高いため手取りの実質価値は海外より低いことも
・都市部のダイブショップは競争が激しい
・移動時間や準備などの労働時間が長い割に収入に反映されにくい

沖縄の人気ショップでは、ピーク時のベテランインストラクターなら月収40万円以上になることもありますが、

冬場は半分以下に減少するケースが一般的です。

一方、伊豆現地ショップでは年間通して安定した顧客を持つことで、月平均30万円程度の収入を維持しているインストラクターもいます。

収入面だけを考えると、単純な月給比較では日本が優位ですが、生活コストと照らし合わせると実質的な生活水準は海外リゾートの方が高いケースも少なくありません。
特にインドネシアのバリ島やマレーシアのボルネオ島などは、生活費の安さと年間を通した安定した顧客数により、バランスの取れた働き方が可能です。

最終的には、「語学力を活かして国際的な環境で働きたいか」「安定した生活基盤と日本のシステムを重視するか」という個人の価値観による部分が大きいでしょう。

どちらを選んでも、ダイビングへの情熱を持ち続けることが長く業界で活躍するための鍵となります。