青い海、カラフルな魚たち、そして水中世界の美しさ。
ダイビングインストラクターという職業は多くの人にとって憧れの仕事ではないでしょうか。

しかし、その華やかなイメージの裏には、知られざる苦労や喜びが隠されています。

今回の記事では、HeadSlapのプロフェッショナルコースを卒業し、現在活躍中のインストラクターたちの生の声をお届けします。

32年の指導経験を持つベテランインストラクターが主宰するHeadSlapは、初心者からプロまで一貫した教育システムで多くのダイバーを育ててきました。

その卒業生たちは今、どのような日常を送り、どんな喜びや課題を抱えているのでしょうか。

年収の実態から日々の仕事内容、海外と日本の違い、そして彼らが経験した挫折と成功の物語まで。

ダイビングインストラクターを目指す方はもちろん、この職業に興味のある方にとって貴重な情報満載の内容となっています。

「海と人をつなぐ」という使命を持って働くプロフェッショナルたちの本音を、ぜひご覧ください。

1. 【現役卒業生が明かす】ダイビングインストラクターの知られざる日常と年収の実態

青い海と豊かな海洋生物に囲まれた環境で働くダイビングインストラクター。

その仕事は多くの人にとって憧れの職業ですが、実際の日常はどのようなものなのでしょうか?

また、気になる年収事情はどうなっているのでしょうか?

今回は現役のダイビングインストラクター数名に話を聞き、その実態に迫ります。

ダイビングインストラクターの典型的な1日は、多くの人が想像するよりもハードワークです。
朝は早く、通常6時から7時には起床し、その日のダイビングの準備を始めます。
タンクの充填チェック、機材の点検、ダイビングポイントの海況確認など、お客様を海に連れて行く前の準備だけでも相当な時間と労力を要します。

「一般のイメージとは違い、実際の業務時間の半分以上は水中ではなく陸上での作業です」とインストラクターの田中さん(仮名)は語ります。
「機材のメンテナンス、事務作業、マーケティング活動なども重要な仕事の一部です」

年収に関しては地域や勤務形態によって大きく異なります。

日本国内の場合、沖縄や伊豆などの人気ダイビングスポットで働く正社員インストラクターの年収は、平均して300万円〜450万円程度。
ただし、繁忙期と閑散期の差が激しく、安定した収入を得るのは容易ではありません。

「夏場は朝から晩まで働いても人手が足りないほど忙しいですが、冬は全く仕事がない日もあります」と、伊豆半島のダイビングショップで働く山本さん(仮名)は説明します。「年間を通して安定した収入を得るためには、オフシーズンの戦略が重要です」

海外リゾートで働く日本人インストラクターの場合は、モルディブやグアムなどの高級リゾートであれば、チップを含めて年収600万円以上稼ぐケースもあります。
「インドネシアのバリ島で働いていた頃は、生活費が安いこともあり、日本よりも貯金できました」とフリーランスインストラクターの鈴木さん(仮名)は振り返ります。

一方で、キャリアの初期段階では苦労も多いようです。
新人インストラクターの多くは、最初の1〜2年は年収250万円以下で、アシスタントやショップスタッフとしての業務が中心となることが一般的です。

また、インストラクターとしての技術や知識だけでなく、接客スキルやマネジメント能力も求められます。
主要な認定団体のプロコースを卒業しただけでは、即戦力にはなれないのが現実です。

「お客様の安全を確保しながら、楽しい体験を提供するバランス感覚が最も重要です。これは経験を積まないと身につかないスキルです」と10年以上のキャリアを持つベテランインストラクターは強調します。

ダイビングインストラクターという職業は、情熱と覚悟があれば誰でも挑戦できる道です。

しかし、その道のりは決して平坦ではなく、継続的な学習と体力的な準備が必要です。

次回は、インストラクターになるための具体的なステップと、プロコース受講の実態について詳しくご紹介します。

2. 「海の世界を教える喜び」プロダイビングコース卒業生が語る挫折と成功の軌跡

ダイビングインストラクターとして第一歩を踏み出した時の高揚感は忘れられません。

各指導団体のプロコースを卒業し、いざ海の先生として立つ瞬間は、どんなダイバーにとっても人生の大きな転機です。

しかし、その道のりは決して平坦ではありません。

「最初の講習で緊張のあまり説明が上手くできず、生徒さんの不安な表情を見た時は本当に落ち込みました」と語るのは、沖縄・慶良間諸島でインストラクターとして5年目を迎えるTさん。

プロコース卒業後、最初の壁にぶつかった経験は多くのインストラクターに共通しています。

海況の急変による講習中止、器材トラブルへの対応、さらには言葉の壁。

特に外国人ダイバー相手の英語でのブリーフィングは、多くの新人インストラクターを悩ませます。「英語での安全説明は命に関わる」と伊豆のダイビングサービスで働くKさんは振り返ります。

しかし、そんな苦労を超えた先には、何物にも代えがたい喜びが待っています。

「初めて海に潜る人が水中で見せる感動の表情は、この仕事の最大の報酬」と口を揃えるのは、プロコースの卒業生たち。

初心者の恐怖心が好奇心に変わり、やがて海への愛に変わっていく過程を見守れることが、インストラクターの醍醐味なのです。

経済面では、シーズン性の高さからオフシーズンの収入確保に苦労する声も。

「冬場は器材メンテナンスやショップの改装、時には別の仕事で補填」と現実的な対応を語るインストラクターも少なくありません。

一方で、「価値観が変わった」と話す人も多く、「収入より海と人をつなぐ喜びを選んだ」という言葉には共感を覚えます。

プロコース卒業後の成長には、先輩インストラクターの存在が欠かせません。
「最初の一年は見よう見まねでしたが、先輩の丁寧なフィードバックのおかげで自信がつきました」と語るインストラクターは多く、業界内の支え合いが脈々と続いています。

また、長く続けるコツとして「自分自身がダイバーとして学び続けること」を挙げる声も。スペシャリティーダイビングや水中写真など専門性を高めることで、インストラクターとしての価値も高まります。

海の世界を教える喜びは、単に技術を伝えるだけではありません。

海洋環境保全の意識を広め、次世代のダイバーを育てる責任も担っています。
「生徒が海のゴミを拾う姿を見た時、この仕事をしていて良かったと思いました」と語るインストラクターの言葉には、この職業の社会的意義が表れています。

プロコース卒業後の道は決して楽ではありませんが、海を愛し、人に教える喜びを知ったインストラクターたちの表情は輝いています。

彼らの挫折と成功の軌跡は、ダイビングインストラクターを目指す人々にとって、まさに青い海の如く広がる可能性を示しているのです。

3. 夢の職業の裏側!ダイビングインストラクター卒業生の本音インタビュー【失敗談あり】

「海の中の世界は、毎回違う表情を見せてくれるのが魅力です」と語るのは、インストラクターとして沖縄で活躍する田中さん。

しかし、その笑顔の裏には様々な苦労があったようです。
今回は現役ダイビングインストラクター5名に本音を聞きました。

インストラクターの仕事は「青い海でのんびり潜る」というイメージとはかけ離れていることが多いようです。
「朝5時起きで器材準備、夜9時まで後片付けとブリーフィング準備…体力的にきついですね」と話すのは伊藤さん。
特に繁忙期は連日のダイビングツアーで休む暇もないとのこと。

また、天候に左右される仕事の不安定さも本音として挙がりました。
「台風シーズンはキャンセルが相次ぎ、収入が大幅に減ることもあります」と石川さんは語ります。
季節によって収入が変動するため、オフシーズンの資金計画が重要なポイントです。

失敗談としては、「初めて担当した外国人ゲストとの意思疎通がうまくいかず、水中でパニックになられたことがあります」と佐藤さん。
言葉の壁を越えるコミュニケーション能力の重要性を痛感したそうです。

最も印象的だったのは山田さんの経験。
「インストラクター養成コースで学んだ知識と実際の現場では大きなギャップがありました。特に予期せぬトラブル対応は、経験を積むしかないんです」。
そしてある日、ダイビング中に突然の海流の変化で予定コースを大幅に変更せざるを得なくなった際、冷静な判断ができず不安にさせてしまったという失敗談を打ち明けてくれました。

しかし、苦労や失敗談の裏には大きな喜びもあります。

「お客様が水中で見せる感動の表情は何物にも代えがたいです」「自分が教えた生徒さんがインストラクターになったときは、本当に嬉しかった」など、やりがいを感じる瞬間も数多く語られました。

インタビューを通じて見えてきたのは、「夢の職業」の裏にある厳しい現実と、それでも海が好きで人に教えることが好きだからこそ続けられる情熱です。

ダイビングインストラクターを目指す人は、華やかな面だけでなく、これらの現実も知った上で挑戦してほしいというのが、現役インストラクターたちからのメッセージでした。